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【武蔵丘短大】高等学校元校長による「赴任先で役立つ」授業で「指導力の高い教員」を育成

2年間で「栄養」「スポーツ」どちらも学べて教員免許取得も可能な武蔵丘短期大学の魅力とは?

  • 大学・短期大学進学 2021年 10月05日

健康、栄養、スポーツを学べる武蔵丘短期大学は、2年間の学びで教員免許のほか様々な資格が取得できる、男女共学の短期大学だ。

県立高校で校長を務めた経験を持ち、現在は健康スポーツ専攻で教員免許取得の指導にあたる大野勝生先生、伊藤えつ子先生、内藤郁芳先生に、短大での学びの魅力について伺った。

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現場で求められる「わかりやすく教える力」がつく

―以前高校で勤務していた立場である 先生方が考える、短期大学で学ぶ魅力についてお聞かせください。

伊藤 2年間で様々な資格が取得でき、目標に向かって高い志を維持したまま学べる点が魅力だと思います。

 本学の場合、健康スポーツ専攻は中学校の保健体育の免許を、健康栄養専攻は栄養教諭の免許を取得することができますが、これらの免許取得のために必要な知識とスキルを身につけ、教育実習から教員採用試験の対策をするためには中だるみをしている暇はありません。

 教職課程に限らず、全コースで緊張感を持ち有意義な時間を過ごせるのが、短期大学の魅力だと思います。

内藤 本学では教職員の面倒見が非常によく、就職サポートも充実している点が魅力です。少人数クラス担任制で、教員同士が学生の情報を共有しながら個別指導にあたっています。

 また、教員×職員の連携も取れており、職員から「学生の面接の練習をお願いします」と頼まれて模擬面接をすることもあります。高校の延長のような面倒見の良さで、私が高校教員だった頃にこの実態を把握していれば安心して学生を送り出すことができたと思います。

大野 高校の教員は短期大学出身者が少ないので、短大の良さや実体験を語ることができません。私も本学に赴任して初めて、短大の多大なメリットを知ることができました。

 短大の良さは、大学卒に比べて2年早く現場デビューできるという点にあります。

 教育現場において教員にはどのような能力が求められるかというと、知識や教養だけでなく確かな指導力が最も大切です。「このように体を動かせば逆上がりができる」という理屈を知っていても、子どもにわかりやすく教えられるかというと話は異なってきます。

 大学を卒業したばかりの新任の先生は経験がないので、教員になってから実践で学んでいくしかありません。指導力を鍛えるためには現場での経験が必要であり、早く現場に出ることができればその分、教員としての経験値とスキルが向上します。

 

―武蔵丘短期大学ならではの学びの特徴について教えてください。

伊藤 本学は、栄養士や栄養教諭をめざす「健康栄養専攻」、保健体育教諭やスポーツトレーナーをめざす「健康スポーツ専攻」、医療事務やホスピタリティを学ぶ「健康マネジメント専攻」の3専攻12コースを設置しています。

 2年間で保健体育の教員免許が取得できる学校は全国の短大のなかでも数校しかなく、大きなアピールポイントです。

 健康栄養専攻は卒業と同時に栄養士の資格を取得できるほか、栄養教育実習などの教職に関する専門科目を履修することで栄養教諭の免許を取得することができます。

内藤 短大というと女子大のイメージを持つ方もいるかもしれませんが、本学は男女共学で、栄養士やスポーツトレーナーを目指す多くの男子学生が学んでいます。

 人々の健康志向が高まっているなか、スポーツと栄養の両方の知識を持っている人材はあらゆる現場で求められます。3専攻の横断的な学びによって、理論と実践の両面でスポーツ栄養の知識が身につくため、進路の可能性も大きく広がります。

大野 教職課程においては、高校で校長を務めた我々3名をはじめ各種目の専門実技教員がサポートに入り、徹底して「現場で役立つ学び」を指導しています。

 特徴的な科目は「授業研究」です。学生が学習指導案をつくり、模擬授業を行います。

 学生がゼロから指導案をつくるのは簡単ではなく、何週間も前から教材研究を深めて指導案を作成し、私達が添削指導を行ったうえで、先生役となって1時間の模擬授業を行い、私たちや生徒役の学生からのフィードバックを受けます。

伊藤 「授業研究」の良さは、自分がつくる授業だけでなくほかの学生が先生役となって行う授業を生徒役として分析できることです。自分の授業づくりに活かせる点を見つけ、取り入れていくことができるので、授業回数を重ねる度に学生の教え方が上達していきます。

 ここでの反省や気づきを活かしてその後学生は教育実習へ臨むわけですが、様子を見に行くと本当に素晴らしい授業を展開しているなと思います。

内藤 自分が大学生のときには、このような模擬授業を行うことはありませんでしたし、他大学で教職課程を履修している娘にも「ムサタンの学生は手厚く指導してもらえてうらやましい」と言われます。

 短大から現役で教員採用試験に合格することを目指して、本気で教員養成に取り組んでいるので、卒業生は4年制大学卒の教員と同じかそれ以上に活躍しています。

 

多くの資格が取得できるから最短ルートで目標に近づける

―そのほかに特徴的な点はありますか?

伊藤 私は長年、発達障害を含む、障害のある生徒に対して適切な教育を行う特別支援学校の現場に携わってきた経験があるので、その立場から特別支援教育について教えることができます。

 特別支援学校だけでなく、通常の学校でも障害により特別な支援を必要とする生徒はいるため、どの学校現場でも特別支援に造詣が深い先生は貴重な人材として扱われます。

 教職課程では介護等体験でのフォローも手厚く行っています。

内藤 教職に限らず、多くの資格を取得できるところも本学の魅力です。

 例えば健康スポーツ専攻では、スポーツドクターやコーチと協力して競技者のコンディショニングを行う「日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー」の資格試験が一部免除になります。

 この資格を得るには、日本スポーツ協会が開催する講習会を受講するか、免除適応コース承認校で所定の科目を修得する必要があります。本学は、東日本の短期大学で唯一の免除適応コース承認校なので、最短ルートで効率よく検定試験に挑戦することができます。

 健康づくりのための運動を指導する「健康運動実践指導者」や「フィットネスインストラクター」などの取得を目指すこともできます。

大野 クラブ・サークル活動が盛んなのも本学の特徴のひとつです。

 特別強化クラブである女子サッカー部は、多くのOG選手が日本代表をはじめ、なでしこリーグやチャレンジリーグなどで現役選手として活躍しています。私が部長を務めるゴルフ部は鳩山CCと締結し産学連携で若手ゴルファーの育成に力を入れています。

 

多くの経験を積むから2年間でも社会を生き抜く力が養われる

―健康スポーツ専攻では、どのようなスケジュールで2年間学んでいくのでしょうか。

大野 卒業に必要な単位は62単位で、教職を目指す学生は加えて教科に関する単位と教職に関する単位を修得する必要があります。

 教職課程においては1年次に教育原理や教職概論を学びつつ指導案づくりを始め、後期からは実際に模擬授業を行う「授業研究」で体育の授業について実践的に探求します。模擬授業を終えたら、改善点を活かして2年前期に教育実習へ臨みます。実習後は教員としてのありかたを考えつつ、「教職実践演習」でさらに授業の進め方について検討し、就職や進学の準備を進めます。

 学生は「待ったなし」の密度の濃い2年間を過ごすことになります。

 

■保健体育教員免許を取得できるプログラム
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―進路状況について教えてください。

内藤 健康スポーツ専攻では、小・中学校の学校教育現場のほか、スポーツ・フィットネスクラブのインストラクター、トレーナーといった専門職が中心になっています。

 福祉施設や医療施設での介護・リハビリ職務等にも活躍の場が広がり、さらに一般企業にも数多く就職しています。高等学校の教員免許取得を目指し、4年制大学へ編入学する学生も毎年一定数います。

大野 教員として実際に教壇に立つには採用試験に合格する必要がありますが、試験に合格できなくても教員免許状を取得していれば「臨時的任用教員」を経て本採用に至ることも可能です。

 本学で取れるのは中学校の保健体育の免許ですが、保健体育に関する専門的な知識とスキルを武器に、小学校で臨時採用されることもあります。

 本学では埼玉県と群馬県の教育委員会にネットワークがあり、多くの卒業生が臨採として働きながら教員採用試験合格を目指します。また、通信教育課程を履修して小学校の教員免許を取得する学生もいます。

 

―読者の高校教員・保護者の皆さまにメッセージをお願いします。

大野 本学での2年間は、授業だけで完結するわけではありません。地域連携活動や部活動といった課外活動も糧にしながら、着実に成長を遂げています。

 短期間で集中して力をつけたいと考える人にとってはこれ以上ない環境が整っていると思います。

 卒業してからのキャリアを長い目で考えたとき、2年間早く社会に出られるというのはプラスになると思います。経済的にも安価なので、ぜひ検討していただきたいと思います。

伊藤 2年間のなかで、模擬授業などの多くの体験を通じて自分なりに工夫し、試行錯誤を繰り返すことで、学生たちは卒業時にはどんな場所に行っても自分で問題を解決していける強さが身につきます。

内藤 「教員になりたい」「アスレティックトレーナーとして働きたい」など将来の目標がはっきりしている人は、最短ルートで夢に近づくことができます。

 私達教員がこれまでの経験を活かして本気で指導しているので、安心して生徒さんを送り出してほしいと思います。

 

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 大野 勝生 先生
武蔵丘短期大学 健康生活学科
健康スポーツ専攻 教授 地域連携・教育推進センター長 ※2022年3月退職
(元埼玉県立秩父農工科学高等学校長)

 

 

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 伊藤 えつ子 先生
武蔵丘短期大学 健康生活学科
健康スポーツ専攻 特任教授
(元埼玉県立八潮高等学校長)

 

 

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 内藤 郁芳 先生
武蔵丘短期大学 健康生活学科
健康スポーツ専攻 特任教授
(元群馬県立高崎東高等学校長)
 

 

⇒『進路の広場』で武蔵丘短期大学を見る

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