駒澤大学「古代エジプト研究会」学生座談会
駒澤大学文学部歴史学科には、通常のゼミとは別に「古代エジプト研究会」がある。
所属学生は、1年次から自分のテーマを決め、担当教員の丁寧な指導のもと、本格的な研究に取り組んでいる。
「やりたいこと」を見つけ、それにとことん打ち込む同学科の3名の学生たちに同学科の魅力について聞いた。
聞き手・構成 河村卓朗(SINRO!編集長)
長谷川 私は古代エジプトの死生観について研究しています。エジプトの冥界の神オシリスの神話から古代エジプトの死生観の原点を調べ、また古代エジプトの食と死生観の関係にも迫りたいと思っています。
木村 私は紀元前3100年以前にあたるエジプト先王朝時代の土器をテーマに研究をしています。対象は「波状把手付土器」と呼ばれるもので、海外の論文や書籍などで情報を集めています。
先日オーストリアを旅行した際は、現地の博物館でハプスブルク家(ヨーロッパの名家)が収集した古代エジプトの波状把手付土器を見てきました。
佐藤 私はそこから3000年下った紀元前331年頃に建設された古代エジプトの都市アレクサンドリアについて調べています。有名なアレクサンドロス大王は、どうしてこの地に自分の名前を付けたのか、その理由は何か。世界七不思議のひとつとされるアレクサンドリアの謎に迫りたいと思っています。
佐藤 私はまず高校2年次に駒澤大学のオープンキャンパスで、古代エジプト研究会の担当である大城道則先生の模擬授業を聞いて、「これだ!」と思ったのがきっかけです。内容は「ピラミッドの謎」だったと思います。
その後、高校3年次のオープンキャンパスでも「古代エジプト研究会に入れば?」とアドバイスを受け、歴史学科への進学を決めました。
木村 私はもともと古代エジプト文化や考古学に興味があって、文学部歴史学科を受験しました。そして、総合型選抜の面接のときに古代エジプトの話題が出て、やりとりの中で「歴史学科には古代エジプト研究会がある」と聞き、入学したら必ず入ろうと決めました。
それまで物理選択で、情報系学部と迷っていたのですが、この面接で歴史学科で学ぶ道を決意しました。
長谷川 私はもともとピラミッドの謎と歴史が好きで、映画「ハムナプトラ」ばかり観ていたような子だったので、古代エジプト史を学べる大学を探して、ここにたどり着きました。
そして、入学後のオリエンテーションで、「古代エジプト研究会があるよ」と聞き、もとから興味があったので、すぐに入会を決めました。
木村 私は古代エジプトの土器が研究テーマなのですが、その形状や紋様から当時の生活を想像する余地があるのが面白いですね。例えば、「波状把手付土器」の把手部分を自分ならどう使うかな? とか考えるのがとにかく楽しいです。
佐藤 研究対象である「アレクサンドリアの大灯台」は、世界で最初に誕生した灯台と言われていて、高さは130m以上あります。紀元前3世紀にどうやってこれを建てたのか、数多くの謎が残されています。
「世界七不思議」のひとつを解き明かす研究に少しでも貢献できたら面白いですよね。
長谷川 私のテーマは「古代エジプトの死生観」で、その象徴はやはりミイラです。なぜ死者の臓器を取り除いて、保存しておいたらいつか復活すると思えたのか―。古代エジプト神話からもヒントを得て、調べているところです。
私も木村さんと一緒で、研究に「想像の余地」がたくさんあるのが楽しいですね。
佐藤 とにかく先生との距離が近いです。ゼミ担当以外の先生でもいつでも質問できます。他大学の友達に驚かれますね。
歴史学科は、入学後、日本史学専攻、外国史学専攻、考古学専攻に分かれます。歴史学科には専任教員が17名いて、その中で私たちが所属する外国史学専攻の専任教員は6名。これに対し外国史学専攻の1学年の定員は70名弱です。こうしたコンパクトで密度の高い教育を受けられるのが魅力ですね。
木村 私も先生との距離の近さに魅力を感じます。今年の春休みは西洋史の先生のヨーロッパ視察に同行して、ポーランドとオーストリアを訪れました。
博物館でハプスブルク家のコレクションを観たのもこのときです。こういうことができるのは、歴史学科ならではだと思いますね。
長谷川 私は4年間、古代エジプトの研究をして、その成果をマンガ作品として発表するのが目標です。必ずSNSでバズらせます!
木村 「波状把手付土器」の研究をやりきるのが目標です。在学中に古代エジプト史の大城先生と一緒にエジプトの発掘調査に行きたいです!
佐藤 私もまずは卒業論文を仕上げるのが目標ですが、その先、社会人になったときも歴史を学んだ経験を活かしたいですね。
歴史には現在と未来をつなぐ力があります。できれば、歴史の魅力を多くの人に伝えるような活動に携わりたいです。
長谷川 私は高校時代、周囲の意見を気にして進学先を選んでいましたが、最終的に「やりたいこと」を優先して、ここにいます。そして今、大好きな古代エジプト史を専門の先生から学べて、本当に楽しいです。
皆さんも「やりたいこと」を見失わずに、進学先を選んでください!
佐藤 文学部歴史学科に限らず、駒澤大学は熱量の多い学生が多いと思います。さらにそれを支える先生や職員の方のサポートも手厚いので、のびのびと興味のある活動ができます。
渋谷や青山に近いロケーションも魅力です。ここにはさまざまなきっかけがあります。駒澤大学で幅広い体験をしてほしいと思います。
駒澤大学文学部歴史学科外国史学専攻
古代エジプト研究会所属
木村 百花 さん/3年
長谷川 結 さん/2年
佐藤 太一 さん/4年
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