志願者大幅増で注目を集める桜美林大学が3方式の総合型選抜に込めたメッセージとは?
2025年度入試の総志願者数が前年度比255%という大幅増となった桜美林大学。一般選抜の検定料割引制度を起爆剤として、実志願者も増加した。
「基礎力評価方式」「探究入試(Spiral)」といったユニークな総合型選抜も注目を集め、年内入試の志願者数も過去最高を記録した。
高校生に多様な受験機会を提供する桜美林大学の入試戦略について、入学部の高原幸治部長に詳しく伺った。
聞き手・構成 河村卓朗(SINRO!編集長)
桜美林大学の2025年度入試の総志願者数は3万3791名と前年度比255%という結果となりました。これは、新たに導入した一般選抜の検定料割引制度で同一日程の学群併願が無料になったことに起因するもので、延べ志願者数が大幅に増えたことになります。
一方で、実志願者数も7174名と前年度比112%と増加しました。これは、検定料負担が減り、多様な学群を併願しやすくなった利便性が受験生に評価された結果だと思っています。
一般選抜に限り、同一試験日ならば1回のテストで、複数の学群を併願できる制度になります。「2科目パック」「共テプラス」「英語重視型」など得意科目を活かせる「追加判定オプション(無料)」と併用すれば、1回分の検定料で最大30以上の合否判定が受けられる計算になります。
2025年度一般選抜では、2学群以上の併願をした受験生が50%と、前年度の14%から大幅に増加しており、併願制度がよく利用されたことがわかります。
桜美林大学では、もともと複数の学群で共通のテーマを学べるケースが多数ありました。例えば、「外国語」(英語)ならグローバル・コミュニケーション学群のほか、リベラルアーツ学群、ビジネスマネジメント学群でも学ぶことができます。2025年度入試の志願者数を学群別で見るとリベラルアーツ学群が前年度比の3倍以上にあたる1万5002名となり、学びの幅が広い同学群に併願先としての注目が集まったことがわかります。
今回の検定料割引制度は、2026年度入試でも継続します。
年内入試にあたる学校推薦型選抜、総合型選抜の総志願者数も過去最高となる3544名と前年度比145%に着地しました。受験生の「これまで」を評価する多様な選抜方式が認知されてきたのだと思います。
桜美林大学では、今年度も3つの総合型選抜を用意しています。
1つ目の「総合評価方式」は、書類審査と面接、もしくは実技審査(芸術文化学群)で合否を判定する一般的な総合型選抜の方式です。
2つ目は、「基礎力評価方式」。これは、英語・国語もしくは英語・数学の2科目の学力審査で高校時代に身につけた基礎学力を評価し、さらに桜美林大学で学ぶ意欲を面接で問います。この方式の2025年度志願者は691名と前年度の286名から大幅に増えており、注目度が高まっているのを感じます。年内入試ながら併願可能な点もポイントで、2025年度は志願者の45%が併願制度を活用していました。
3つ目の「探究入試(Spiral)」は、高校生活における探究学習について評価する方式です。書類審査後、プレゼンテーションと面接で合否を判定します。桜美林大学の高大連携型探究学習支援プログラム「ディスカバ!」(認定証対象)に参加した受験生は、1次審査が免除になります。
自己PR重視の「総合評価方式」、基礎学力重視の「基礎力評価方式」、探究学習の取り組み重視の「探究入試(Spiral)」という3方式で、受験生一人ひとりの強みに寄り添うのが桜美林大学の総合型選抜になります。
出願書類のフルオンライン化を推進していきます。2026年度は移行期間として、書面も受け付けますが、2027年度からはオンラインのみになります。Word書類でも手書きでも評価は一切変わりません。これは念を押しておきます。
総合型選抜における2次審査、学校推薦型選抜の面接は「対面」と「オンライン」を選択できます(一部方式を除く)。これにより、受験生の皆さんの時間的・経済的負担を減らすことができると考えています。
総合型選抜の「基礎力評価方式」は、今年度も2回実施する予定です。学力審査に加え、面接も引き続き実施します。
これは年内入試全般に共通することですが、面接では志望する学群の学びをしっかり理解しているか、本当に自分のやりたい学びとマッチしているかを聞きます。基礎学力や探究力を評価しながら、桜美林大学で学びたいという「本気度」を確認することが、入学後のミスマッチを避けるために重要なのです。
コロナ禍を超えて、航空学群やグローバル・コミュニケーション学群の人気が戻ってきているのを感じます。特に航空学群は、就職実績が好調です。パイロットだけでなく、総合職で日本航空・全日空に就職する卒業生が増えています。理由は航空機整備・管理業務の高度な専門知識を有する学生を育成しているからです。航空業界への就職を志望する受験生にぜひ注目いただきたいですね。
毎年約3万人が参加する探究学習支援プログラム「ディスカバ!」にも引き続き力を入れていきます。個人でも参加可能なので、ぜひ応募してください。他にもオープンキャンパスやオンラインで各種入試対策プログラム、個別相談の機会を用意しています。桜美林大学受験生サイトで最新情報を随時発信しています。
桜美林大学
高原 幸治 入学部部長
桜美林大学大学院・大学アドミニストレーション研究科修士課程修了。2002年、学校法人桜美林学園に入職。国際交流、改組準備室、就職支援、学生支援などの部署を経て、18年から入学部部長。
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