緊急実施!年内の学力試験に関する教員の意識調査。大学選び・専門学校選びで重視されるポイントは?
最近の受験生は、大学・専門学校選びでどのような点を重視しているのでしょうか?
そしていま、大きな話題となっている年内の学力試験について、先生方に緊急アンケートを実施しましたがその結果は?
本稿では、首都圏公立高校の先生方を対象に行った生徒の進路選択に関するアンケートの結果をもとに、これらについて考察していきます。
(SINRO!編集長 河村卓朗)
弊社(進路企画)では、毎年1学期を中心に首都圏(東京・神奈川・千葉・埼玉)の数十校の高校で大学・専門学校進学に関する教員対象研修会を実施しています。本稿で紹介するのは、今年の研修会に参加された先生方にご回答いただいたアンケート結果です。
ご回答いただいた492名のほとんどが公立高校で3年生の担任を務める先生方で、リアルな高校現場の声を反映しているといえます。ご協力いただいた55校の先生方には改めて御礼申し上げます。それではさっそく結果をみていきましょう。
まずは、今回から設問に加えた「年内に総合型・学校推薦型選抜などで実施される、学力試験型の入試を生徒に勧めるか」についてみていきたいと思います。
注目の結果は「やや勧める(38.5%)」が最多となり、「積極的に勧める(14.3%)」と合わせて約53%の先生方が指導を強化する意向であることが読み取れました。
また、約3分の1の先生方は「これまでと同じ(34.4%)」という回答でした。一方、「あまり勧めない(12.8%)」は少数にとどまりました。
この「年内学力試験」は、文科省により現高3生が対象となる2026年度入試から実施が認められ、次年度以降も導入大学が増えることが確実視されています。このような新しい入試制度は、早くから情報をつかむことで適切な対策が打ちやすくなりますので要チェックです。

次に「生徒が大学選びで重視すると思われる点」についてみていきましょう。
数値が高い順にみていくと、大学進学を考えるうえで1番重視してほしい「やりたい勉強ができる(65.0%)」がトップでしたが、注目したいのは「家からの近さ(55.1%)」が2位、「指定校枠がある(40.9%)」が4位、「学力的に手が届く(38.2%)」が5位とそれぞれ高い回答率になっていることです。
前年度の私大入試は、定員厳格化の影響で多くの有名大規模校が倍率アップとなり厳しい結果でした。このような状況を敏感に感じ取り、堅実な進学先を求める生徒が増えているのかもしれません。
また、ご回答いただいた先生方の多くが所属する中堅公立高校では、従来から年内入試での進学希望者が多く、有名私大の難化がこの傾向に拍車を掛けている可能性もみえてきます。
他には「就職に有利(44.1%)」も3位という高い回答率となりました。こうした結果を読み解くと、「近隣で学力的に手が届き、就職に強い大学に進学したい」と考えている生徒が多いといえそうです。
一方、都心にキャンパスを持つ有名大規模校が強みを発揮しやすい4項目については、「知名度(36.2%)」は回答率が高かったものの、「社会的評価・イメージ(21.5%)」、「キャンパスの雰囲気(21.3%)」はそこまで高くありませんでした。また、「都心にある(5.9%)」は非常に低いという意外な結果となりました。

特定分野のプロ(専門家)を目指す専門学校では、「国家試験の合格状況(61.4%)」が断トツで高い回答率でした。次いで「カリキュラムの詳細(56.3%)」、「就職先情報の公開度(48.0%)」、「学費(48.0%)」という結果です。
ちなみにこの4点は、弊社が高校の先生方を対象に行う専門学校選びに関する進路講演で常に強調するポイントでもあります。
他には「中退率(25.6%)」も関心度が高いことが読み取れます。中退率は、職業実践専門課程に認定された学科を持つ専門学校などは情報公開度が高く、調査しやすい項目です。
専門学校選びには大学の偏差値のような明確な判断指標がないため、このアンケートで回答が多かった項目をぜひ参考にしていただきたいと思います。

以上となりますが、読者の先生方の肌感覚と比べていかがでしたでしょうか?私たち進路企画は、これからも高校現場の声を集めていきたいと考えています。