受験生の「持ち前を活かす」入試から始まる、揺らぎを与えてさらに伸ばす教育システム
企業出身の実務家教員が7割を超え、多様な社会課題や都市型ビジネスに挑戦するプロジェクト授業があるなど、「社会で本当に役に立つ力」を養うことに大きな力を注いでいる産業能率大学。
そうした環境を整えるために必要なのは、「まずは学生の成長意欲」だと入試委員長の杉田一真教授は語る。
特色あるカリキュラムと多様な入試形式とのつながりについて詳しく伺った。
聞き手・構成 河村卓朗(SINRO!編集長)
まずは成長意欲の高い学生が集まっている点が魅力だと考えています。自然と学生間で教え合い、学び合いが発生する、そうしたコミュニティとしての魅力が一番大きいと思います。
学びはスポーツによく似ていて、いくら監督やコーチの質が良くても、選手同士が与え合う刺激には敵わない。ビジネスの世界では「採用の失敗は育成では取り戻せない」という格言もありますが、まずはいいチームを編成することから育成が始まると肝に銘じ、入試から力を入れています。
その上で、教員にも特徴があります。本学には産業界やビジネスの「今」を教えられる実務家教員が7割以上在籍しています。
本学は2000年に、大学としてのスタンスを明らかにするために「教育中心大学」であると宣言しました。主役はあくまでも学生ということです。産業界の中核を担う人材を育てるというミッションのもと、プロフェッショナルな教員たちが、自身の研究ではなく学生の「育成」に全力を注いでいます。
例えば、ダブルティーチングという形式の、実務家教員と理論を教えるアカデミック教員の2名で担当する授業があります。その中の「アーティストプロモーション」という授業では、1年間かけて音楽ライブを企画し、実際に運営まで行います。学生は勉強した理論的な知識を活用して企画し、実務家教員に発表する。しかし、最初は厳しい講評を受けることになります。そこからアカデミック教員の元に戻ってきて、さらに知識や視点を吸収し、再度企画を練り直す。そうした往復の末にやがて実務家教員から認められて、学生は手応えを感じます。ここには、リアルな仕事の楽しさと充実感があるのです。
本学の授業の特色は、実践力まで育成することです。演習を通じて学んだ知識を活用することを意識している大学は多いと思いますが、我々の考える「実践」では、理論をなぞるだけでなく時にはあえて破り、自分なりに理論を再構築する必要も出てくる。
そして、後進に自分が得た知識を教えるところまで含めて実践だと考えています。学生には、できるだけ早い段階で自分の知識やスキルについて「揺らぎ」を経験してほしいと思っています。挫折した学生ほど、その後に大きく伸びるからです。そのために教員には、単なるダメ出しではなく再生を促すヒントを与えてほしいと伝えています。
「アーティストプロモーション」の授業もそうですが、授業内で企画を完璧にするのは難しく、授業外にグループワークなどの学習量を求められることが多いと思います。
厳しいようですが、それはビジネスの世界では当たり前のこと。会議中にすべてが決まることはなく、会議外でどれだけ努力したかによってアウトプットの完成度が決まる。こうした教育に合った学生を迎えられるように、マッチングにはこだわっています。
本学では、創立者である上野陽一も述べていた「持ち前」という言葉を大切にしています。受験生が自分の持ち前を発揮できる入試方式を提供できるか。今の方式に合わない生徒がいるなら、新しく作ることもいつも念頭に置いています。
総合型選抜では、プレゼンテーションが得意であれば「キャリア教育接続方式」、グループワークが得意であれば「AL(アクティブラーニング)方式」、人と話すのはそこまで得意ではないけれど思考力に自信があれば「MI(マーケティング・イニシアティブ)方式」といったように、それぞれの持ち前を活かせる方式を用意しています。
結果として、学生たちは自分が突破した入試区分に誇りを持って入学してきます。それぞれの入試区分で評価された持ち前が確固たる自信になっているのです。入試を突破したこと自体が本人たちのアイデンティティになるような入試をしたいと思っています。
準備のポイントとしては、「体験」を重視してほしいです。オープンキャンパスの体験授業に足を運び、授業だけでなく教員や先輩学生の雰囲気に触れてもらう。
極端に言えば、学部やカリキュラムで選ぶのではなく、学習体験とコミュニティが自分に合っているかどうかで選んでほしい。サッカーをやっているからサッカー部に入るのではなく、このサッカー部なら自分の持ち前を活かせるから入部を決めるといった考え方です。オープンキャンパスで感じたことや、自分のこれまでの経験が産業能率大学でどう活きるかということを、面接や自己記述書で表現してほしいと思っています。

オープンキャンパスで体験授業やガイダンスを受けたり、高校の先生や保護者、友人に相談したりするなど、ぜひ周囲を巻き込んで受験に臨んでください。本学には、大学を「社会に出るまでの準備期間」と捉えるのではなく、1年次から「社会で活躍する覚悟」のある学生が集まっています。ぜひ本学で、皆さんの持ち前を活かしてほしいと思っています。
産業能率大学
学長補佐・入試委員長 経営学部
杉田 一真 教授
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