• ホーム
  • 進路コラム
  • 【桐蔭横浜大学】「学生を伸ばす大学」として改革を継続 接続型年内入試も志願者増の桐蔭横浜大学
  • 進路コラム
  • スペシャルインタビュー

【桐蔭横浜大学】「学生を伸ばす大学」として改革を継続 接続型年内入試も志願者増の桐蔭横浜大学

「学習理論」の研究者・森朋子学長が描くAI時代の大学教育の在り方とは?

  • 大学・短期大学進学 2026年 08月10日

「学習理論」の研究者である桐蔭横浜大学の森朋子学長が目指すのは、「やる気のある学生を伸ばす大学」。

2026年度入試では受験者数・入学者数ともに増加となり、同大学が進める教育改革・入試改革への注目度の高さがうかがえる。

現在、日本全体の大学教育の質保証改革にも携わる森学長に、AI時代の大学教育の在り方、次世代を意識した桐蔭横浜大学の新たな取り組みについて伺った。

聞き手・構成 河村卓朗(SINRO!編集長)

日本全体の大学教育の質保証改革に携わる森学長

―2026年度入試の結果をどのようにご覧になっていますか?

2026年度入試は、受験者数、入学者数ともに大幅増となりました。本学が目指す「やる気のある学生を伸ばす大学」としての教育理念や取り組みに共感し、「ここで成長したい」と考える高校生が増えてきたことを心強く感じています。

近年は、年内入試を中心とした接続型の入試改革や入学前教育、探究学習との接続強化などに取り組んできました。これらが受験生から評価された結果ではないかと考えています。

―森先生は文部科学省「教育・学習の質向上に向けた新たな評価の在り方ワーキンググループ」の主査を務めています。国の高等教育政策全体を考えるなかで、桐蔭横浜大学の教育をどう位置づけていますか。

私は長年、「学習理論」を研究してきた立場から「大学は学生をどれだけ成長させられるのか」が最も重要な価値だと考えています。

そこで現在、私が主査を務める文部科学省のワーキンググループでは、大学を対象にした従来の認証評価を「教育内容に特化した評価」へ転換しようとしています。重要なのは、大学が何を実施しているかではなく、その結果として学生がどれだけ成長したかです。

将来的には学部ごとの教育力を可視化し、偏差値だけでは測れない大学の価値を社会に示していくべきだと考えています。

桐蔭横浜大学は、まさにその実践の場です。国全体の大学改革を考える一方で、それを本学の教育に落とし込みながら、「学生が伸びる大学」を具現化したいと考えています。

―改めて、桐蔭横浜大学の学びの特色と今後の教育改革についてお聞かせください。

桐蔭横浜大学には、法学部・医用工学部・スポーツ科学部の3学部と現代教養学環という教育組織があります。本学の強みは、学生一人ひとりの顔が見える距離感で少人数教育を行えることです。大規模大学では難しいきめ細かな指導を実現しながら、それぞれの学部・学環が特色ある学びを展開しています。

法学部では地域や社会の課題解決に取り組み、スポーツ科学部では競技だけではなく、スポーツビジネスやスポーツアナリティクスなど新しい領域を学ぶことができます。現在はプロスポーツチームと連携したデータ活用の取り組みも進んでいます。

医用工学部の発展的再編も進めています。2027年度から生命医工学科1学科体制となり、従来の臨床検査技師養成に加え、再生医療や化粧品開発、ペロブスカイト太陽電池などの先端技術、さらには美容科学や美白に特化した研究など新しい領域も学べるように進化します。トップ国公立大学が取り組む最先端技術を「中間層」の学生でも学べる教育機関として、他大学にはない強みを打ち出したいと考えています。

桐蔭横浜大学医用工学部生命医工学科
新たな4つのフィールド
4つのフィールド

さらに、現代教養学環のカリキュラムも2027年度から大きく変わります。1年次は大学周辺の地域、2年次は被災地や海外、3年次は企業や社会へとフィールドを広げながら学びの経験を積み、4年次の卒業研究につなげる新たなロードマップを設計しています。4年間を通じて社会課題と直に向き合う「イシュードリブンラーニング(課題から出発する学び)」を展開していく予定です。

入学前教育「桐蔭プレアド」でスムーズな高大接続を実現

―年内入試の取り組みや入学前教育「桐蔭プレアド」の成果についてお聞かせください。

本学では年内入試を単なる「選抜」ではなく、高校から大学への「接続」の機会と考えています。コンセプトは「選抜から接続へ」。入口で学力の高いハードルを科すのではなく、面接で丁寧に話を聞き、本学の学びとの親和性を判断します。

根底には、高校で取り組んだ探究学習をそのまま大学での学びにつなげてほしいという思いがあります。そして、入学後の4年間で生徒の実力を大きく伸ばし、卒業時に大学としての質を保証するような設計にしています。

そのため入学前教育プログラム「桐蔭プレアド」を実施しています。現在、約3分の2の入学予定者が参加しており、チームビルディングやプレゼンテーション、大学での学び方を経験しながらスムーズな移行を支援しています。さらに入学時には全学生を対象とした調査を実施し、早期支援が必要な学生には「アーリーアラート制度」を活用して面談を行っています。

―最後に高校生や保護者、高校教員へメッセージをお願いします。

AI時代と言われる今こそ、若い世代には、現場へ行き、人と出会い、自分の目で見て考える経験が必要です。だからこそ本学は、「経験主義」を重視しています。2027年度からは「TOIN 7」を教育の柱として掲げます。考動力、共創力、自律力、社会貢献力、完遂力、デジタルエージェンシー、複眼的思考力の7つの力を育み、予測困難な時代を生き抜く人材を育てていきたいと考えています。

今は18歳で人生が決まる時代ではありません。大学で土台をつくり、25歳、30歳になってから大きく花開く人も増えています。その意味で、高校時代には探究活動や課外活動など、自分で考え、行動し、やり遂げる経験を積んでほしい。そして、高校の先生方には、目先の結果だけでなく、長い人生の中でその生徒がどう成長できるかという視点で大学選びを支えていただきたいと思います。

桐蔭横浜大学で伸ばす7つの力
TOIN 7
お話を伺った方

桐蔭横浜大学
森 朋子 学長
2020年度に桐蔭学園に着任後、桐蔭横浜大学副学長を経て2022年度より現職。2024年度まで桐蔭学園小学校校長を併任。専門は、人の学びの構造やプロセスを解明する学習研究で、児童・生徒・学生を対象とした小学校から大学までの幅広い学びと成長を対象とする。ケルン大学哲学修士、大阪大学修士・博士(言語文化学)。第13期中央教育審議会委員。

⇒『進路の広場』で桐蔭横浜大学を見る

ページトップへ
メニュー