学力型の台頭、AI活用の注意点など、激動する総合型のポイントとは
近年、年内入試の中でも「総合型選抜」を選ぶ受験生が増えている。
本稿では学力型の台頭や面接義務化などの最新動向に加え、AI活用の注意点など今年ならではのポイントを解説していく。
河村卓朗(SINRO!編集長)
ここ数年、私大入試において総合型選抜で入学する受験生が増えている。以下の文部科学省「国公私立大学入学者選抜実施状況」の引用を見ると、私大の総合型選抜入学者数が年々増えており、一般選抜での入学者数が減っていることがわかる。

最も早い入試であるうえ、高校からの推薦書が基本的に不要かつ出願時の評定基準を設けない大学が多く受けやすいなどが要因だろう。
総合型選抜の選抜方法は、一般に「学力型」「対話型」「実技型」に大別されるといわれている。本稿では中小規模の私大総合型選抜で主流となっている「対話型」と、今年実施校が増えそうな「学力型」にも焦点をあてつつ、解説を進めていく。
「対話型」のポイントは、「自分はどんな人物であるか」「志望校の学びのどこに魅力を感じたか」「その大学で4年間をかけて何を学びたいか」といったことを、いかに具体的なエピソードを交えながら書類や面接で表現するかだ。
志望理由を具体的に自分の言葉で語るには、志望学科のカリキュラム内容や特徴のある教育サービスをしっかりチェックしておき、これらの内容をどのように活用して学んでいきたいかを書類や面接で具体的に言及すると先方に熱意が伝わりやすくなる。
ここで、今年度(2027年度)入試で新たに実施校が増えそうな学力試験を中心とした総合型選抜についても解説をしておきたい。
文部科学省が2026年度入試での年内の学力試験実施について、面接または書類審査などを組み合わせる「条件つき」で認めたことから、急速に導入校が増えている。
すでに文部科学省が認めた形の学力を中心とした入試を実施している大学として、東洋大学(基礎学力テスト型)、大東文化大学(基礎学力テスト型)、神奈川大学(適性検査型)、玉川大学(適性検査方式)、関東学院大学(給費生選抜)、明星大学(スカラシップ選抜)、大妻女子大学(基礎能力型)などがある。
2027年度入試では東海大学が特待生入試の「プレトク」を年内に実施予定だ。さらに、成蹊大学も「基礎学力型」を実施予定など、新たに参入する大学も増えている。
ここで注目したいのが、文部科学省が5月27日付で各大学・都道府県教育委員会に通知した「2027年度大学入学者選抜実施要項」だ。総合型・学校推薦型選抜での面接が必須化されることが決まった、学力偏重への歯止めとして注目される動きだ。
すでに学力型の年内入試を導入済みの大学については変更までに2年間の猶予期間が設けられるが、2027年度入試から導入を予定している大学では、入試内容に変更が生じる可能性が高いので志望校の最新の入試要項を必ず確認するようにしたい。
また、これらの年内の学力入試の特徴は入学手続き締切日(最終)が2月後半に設定されている大学が多いため、一般選抜や大学入学共通テストなどとも上手に組み合わせた運用もできそうだ。「学力中心」の総合型選抜は、一般選抜と併願ができる内容のものが今後増えるのではないかと予想している。

受験者が増え続ける総合型選抜を取り巻くトレンドと注意点について、3点お伝えしたい。
最後に、総合型選抜は年内入試と思われがちだが、実は中小規模校では3月期まで試験を実施している大学も少なくないことをお伝えしたい。
前回入試では、首都圏で2月中下旬から3月にかけて総合型選抜を実施した大学・短大は約70校あった(弊社調べ)。もし年内に総合型選抜で思うような進学先を確保できなかった受験生も、1月以降に出願を受け付けている大学は多い。諦めずにチェックを続けてほしい。なかには3月まで間口を広く設けている大学もある。
総合型選抜は決して年内で終わりではない。最後の最後まで自分に合った進学先を探し、チャレンジし続けてほしい。
