神奈川大学、関東学院大学、東海大学ほか2校を徹底比較!
年内に学力試験を中心とした入試で合格を勝ち取り、さらに4年間の学費がほぼゼロになる——
そんな制度が、首都圏の私立大学で現実のものとして急速に広がっている。
物価高が続く中、受験生と保護者にとって経済的な不安は切実だ。進路指導の現場でこそ真っ先に知っておきたい、「年内スカラシップ入試」の全貌をレポートする。
河村卓朗(SINRO!編集長)
近年、私立大学の入試スタイルが大きく変化している。2026年度入試から、文部科学省が一定条件のもとで年内入試における学力試験の実施を容認したことで、首都圏でも年内に学力試験を中心とした選抜を実施する大学が急増している。従来の総合型・推薦型選抜とは異なり、学力試験を軸に据えたこの動きは、ペーパーテストを得意とする受験生にとって大きなチャンスだ。
年内に合格を確保できれば、精神的な余裕を持って年明けの本命校の入試に臨めるうえ、早いうちから一般選抜本番さながらの実戦経験を積めるメリットも大きい。そして見逃せないのが、この流れの中で「成績優秀者の学費を最大4年間にわたって全額給付・免除する制度を設ける大学が急増している」という事実だ。合格と奨学金の両方を年内に手にできる——進路指導の現場でぜひ活用してほしい情報だ。
首都圏の私立大学で、
この条件を同時に満たす総合大学を編集部で調査した。把握できた範囲では以下の5大学となるが、今後新たな動きが出てくる可能性もある。出願に際しては各大学の募集要項で必ず確認してほしい。

注目したいのが、上記表で取り上げた各校の最終手続締切日だ。2月19日〜3月8日に設定されており、これはおおむね主要大学の一般選抜(共通テスト利用を含む)の合格発表時期よりも後になる。
つまり、受験生は年内にスカラシップ合格を確保したうえで、年明けの本命校の受験結果を見届けてから最終的な入学先を判断できる設計になっている。万が一本命が不合格でも、スカラシップ特待生として学費免除で4年間学べる環境が確保されているのだ。
また、特待生合格には届かなくても、一定以上の成績をあげた受験生の一般選抜を免除(合格)する大学も多いので学力に自信のある受験生には、ぜひ知っておいてほしい選択肢だ。
なお、最終入学手続締切日などの詳細は、各大学の募集要項および入試担当窓口に直接確認することをお勧めする。
この中で最も歴史が古いのが神奈川大学の給費生試験だ。90年を超える伝統ある入試で、2026年度入試では7781人の志願者を集め、合格者は2355人。このうち奨学金が給付される給費生合格は265人だったが、一般入試が免除される一般入試免除合格が2090人にのぼった。同大学を志望する受験生であれば、ぜひとも受けておきたい入試だ。
関東学院大学は、2026年度入試で約40年ぶりに給費生選抜を復活させた。受験者は363人で、給費生合格87人に加え104人の一般選抜免除合格者も出ている。初年度は制度そのものの認知が広がりきらず、受験者数の抑制につながったようだ。結果として、同大学を志望する受験生——神奈川県内、特に横浜市内の高校でこれまでも同大学受験者が多かった高校の生徒にとっては、絶好のチャンスとなった。2027年度入試においても、チャレンジしやすい入試としてさらに注目を集めるだろう。
明星大学のスカラシップ選抜も2026年度入試から新設された。初年度は募集人員50人に対して志願者219人・合格者87人(一般選抜免除型含む)で、倍率2.5倍という非常に手の届きやすい結果となった。2027年度入試では、一般選抜免除型の合格者に対しても入学金の半額が免除される予定だ。
2027年度入試からスタート予定の東海大学の特待生試験「プレトク」にも注目したい。入学検定料は1万円と受験生の負担を抑えた設定で、全国に複数の試験会場を設置予定。「早い段階から手ごろに出願できることで認知を広げていきたい」という大学側の本気度の高さが伝わってくる。なお、本入試は現時点で計画されている内容で今後変更の可能性もあるため、詳細は必ず各自で募集要項を確認してほしい。
夏のオープンキャンパスで気になる大学を訪れた際には、こうした制度の有無についても積極的に問い合わせてみることをお勧めする。
本稿で紹介した5大学は、いずれも優秀な受験生に「経済的な理由で希望の進路をあきらめてほしくない」という本気の姿勢からこれほど手厚い制度を生み出している。進路指導の現場で、大学進学に経済的な不安を抱える生徒や保護者と向き合っている先生方には、ぜひこうした情報を必要としている受験生に届けていただきたい。
スカラシップ入試は、知っている受験生とそうでない受験生とで、進路の選択肢が大きく変わってくる制度だ。