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SINRO!編集部による、私大入試解説!

共通テスト利用や英語外部試験を上手に使おう!

  • 大学・短期大学進学 2023年 12月11日

11月を迎え、総合型選抜、学校推薦型選抜で受験真っ最中という受験生も多い事でしょう。

年があけると大学入学共通テスト、2月には一般選抜が本格化します。

本稿では、受験生をサポートする教員・保護者の皆さまへ、これからの私大一般選抜受験でおさえておきたいキーワードを解説いたします。

河村卓朗(SINRO!編集長)

大学入学共通テストを使った効果的な併願戦略を!

 年内の推薦入試が終わると2024年1月13日・14日に大学入学共通テスト(以下、共通テスト)が実施され、2月に入れば一般選抜が本格化します。

 この共通テストの成績で合否判定を行う、「共通テスト利用方式(以下、共テ利用)」を一般選抜で導入する私立大学は530校を超え、全体の約9割に達しています。

 私大受験に関して、共通テストを受験しておくと、複数の大学に出願が可能となる点と出願のみで試験会場に出向かなくてよい点がメリットです。

 近年、共テ利用の合格者数を増やす大学が多くなっているため、合格倍率が下がっている例も珍しくありません。

 共通テストで3教科を受験しておけば、ほとんどの私大の共テ利用に出願できますので併願候補の大学に関しては、大学ごとの試験対策が不要な共テ利用で積極的に出願し、本命校の独自試験対策にエネルギーを集中するという方法をおススメします。

 また、4教科以上の共テ利用を実施する私大もありますが、中小規模校では志願者数が少なく、倍率が低いことも珍しくありません。

 昨年の入試結果を調査してみると、4教科以上の共テ利用では合格最低得点率が50%前後となる大学もありました。共通テストを多めの教科で受験しておくと思わぬチャンスをつかめるかもしれません。

 一方で難関私大の中には共通テストの成績+独自試験を課す入試、いわゆる「共通テスト併用型」を行う大学もあります。首都圏の難関校では早稲田大学上智大学青山学院大学などが実施しています。

英語外部試験利用入試を上手に活用しよう!

 「英語外部試験利用入試」とは、大学が指定した民間の英語検定を事前に受検し、一定以上の級・レベル・スコアを獲得している受験生を対象とした選抜方式または判定基準です。

 2024年度入試では、東京地区は※57.5%(65校)、近畿地区は※55.6%(65校)の私大で実施される予定です。

 

※豊島継男事務所「2024年度 私立大一般選抜 英語外部試験の利用状況」を参照

 

 最も利用者が多い英語民間検定は英検ですが、その他にもGTECやTOEFL、ケンブリッジ英検、IELTS、TEAPなどがあります。出願の2年前までに取得した成績やスコアが有効とされるケースが大半のため、高2生の段階からチャレンジすることが可能です。

 難関私大の中には、出願要件として英語民間検定の取得を課す大学もありますが、この入試の最大の利点は、得点換算や加点などの恩恵を受けられることです。

 おおよその得点換算状況は、日東駒専レベルで英検2級(1980点以上)に対して75点〜80点です。また、桜美林大学拓殖大学玉川大学大東文化大学など、準2級(1728点以上)の取得者に対して70点相当の得点換算を行う大学も複数存在します。

 英語外部試験利用入試では、英語の独自試験の出来が良ければその点数が、出来が悪かった場合は英語検定を得点換算した成績が適用されるため、英語受験を有利に進められます。

 更に、大学によっては英語民間検定の成績のみで英語教科の得点を評価する大学もあり、この場合は英語の独自試験対策が不要となります。また、推薦入試においても英語民間検定の取得者は評価されますので、高2の時期からぜひ準備をしていただきたいです。

 

受験料の割引を賢く利用しつつ、併願は多めに!

 私大の一般選抜の受験料はおよそ3万5000円で共通テスト利用方式は1万5000円〜1万8000円ほどの費用がかかります。複数の大学で様々な入試方式を受験すると、受験料の出費だけで数10万かかることもあるので受験料の割引制度を有効活用したいところです。

 多いのは、1回分の受験料で複数回受験ができる割引制度や、2回目以降の受験料を割り引くなどの方式です。賢く使えば受験料を抑えることができるので、志望校の入試要項をチェックしましょう。大手大学では日本大学のN全学統一方式などが有名です。

 近年は、合格しやすい状況になっているためか、併願校数を減らす受験生が多いようです。第一志望校に確実に合格できれば良いのですが、受験に絶対はありませんので油断せず、多めに併願をかけておくことをおススメします。

 本稿の前半部分で触れている通り、近年は共テ利用の合格者数を増やす大学が多いうえに、独自試験と比べて受験料も割安です。このような入試を積極的に活用して合格をねらいましょう。

 

ライバルが少ない後期試験がひそかなねらい目に?

 また、昨年も触れましたが、2月後半から3月にかけて実施される私大一般選抜の後期試験が今年もねらい目となりそうです。

 理由は、少子化+年内入試利用者増(特に中堅レベルの受験生)+一般選抜で多くの私大が合格者数を増やしたことなどが重なり、後期試験の時期まで残る受験生がこの3年で一気に激減してきたからです。後期試験の倍率が1倍台の大学もザラにあります。

 注目したいのは小規模な地元私大です。この層は年内の推薦入試を選ぶ受験生が多いためライバルが少なく、特にねらい目となる可能性があります。年内の総合型選抜などで、このような大学を不合格になった方は一般選抜の後期まで粘ってチャレンジも1案です。

 また、総合型選抜を3月まで実施している大学も意外とありますのでこちらもおススメです。

 SINRO! 編集部では1月以降も公式Webサイトにて私大入試情報を定期的にリリースする予定ですので、時期がきたらぜひご覧ください。

 

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